「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」は「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021」で第15位にランクインするほどの評判です。
果たしてどんな投資信託なのでしょうか?
投資すべき良い投資信託なのでしょうか?それとも選んではいけないやばい投資信託なのでしょうか?
「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」の中身に迫ります。投資先をお探しの方はぜひ参考にしてみて下さい。
また、別の投資信託についても解説していますので良ければそちらも参考にしてみて下さい。
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねはどんな投資信託?
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねのコンセプト
おおぶねはアメリカの株式に長期投資する投資信託です。
なぜ、アメリカかというと日本株よりもアメリカ株の方が成長率が大きいからです。過去の株価指数を比較した図がこちらです。
1993年末から日本株は約1.4倍にしか成長していないのに対して、アメリカ株は約9倍の成長を遂げています。
この成長力の違いこそがおおぶねがアメリカ株に投資してる理由ですよね!
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねを運用しているのは誰??
目論見書の委託会社(=投資信託を運用する会社)の所を見ると農林中金全共連アセットマネジメント株式会社と書いてあります。
しかし、運用については別会社から投資助言を受けるとあり、実質的に運用を行うのは農林中金バリューインベストメンツとなります。
農林中金バリューインベストメンツ株式会社は農林中央金庫グループの子会社です。
農林中金バリューインベストメンツの企業哲学
アメリカへの現地出張も年6回ほど行っており、対話を通して信頼関係の構築を図る運用会社となっています。
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの手数料
おおぶねの手数料についても確認しておきましょう。
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねはインデックスを上回る運用を目指すアクティブ型の投資信託です。
同じアクティブ型の投資信託で世界の株式で運用するファンドと手数料を比較してみましょう。
ベイリーギフォード世界長期成長株ファンド | キャピタル世界株式ファンド | 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね | |
---|---|---|---|
購入時手数料 | 最大3.3% | 最大3.3% | 最大2.2% |
運用管理報酬 | 年1.6445% | 年1.701% | 年0.99% |
信託財産留保額 | なし | なし | なし |
おおぶねの購入時手数料は最大2.2%、信託報酬は年0.99%です。
同じアクティブ型の投資信託の中では、おおぶねはやや安い手数料となっています。
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの評判は?
おおぶねの評判についても確認しておきましょう。
●「R&Iファンド大賞2022」投資信託部門/北米株式コア「優秀ファンド賞」
●「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021」第15位
このように2つの賞を受賞しています。おおぶねの世間的な評判はとても高いと言えます。
評判は上々ですね!ただ評判だけで判断せずに、運用成績や具体的な投資先もきちんとチェックしていきましょう!
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの投資先10銘柄
まずは投資先企業から確認していきましょう。おおぶねの投資先上位10銘柄はこちらです。
2023年7月31日時点
順位 | 銘柄名 | 業種 | 比率 |
---|---|---|---|
1 | COSTCO WHOLESALE CORP | 生活必需品 | 6.8% |
2 | MCCORMICK & COMPANY | 生活必需品 | 6.0% |
3 | AMPHENOL CORP-CL A | 情報技術 | 5.8% |
4 | TEXAS INSTRUMENTS INC | 情報技術 | 5.8% |
5 | THE WALT DISNEY CO. | コミュニケーション・サービス | 5.7% |
6 | VISA INC-CLASS A SHARES | 金融 | 5.3% |
7 | S&P GLOBAL INC | 金融 | 5.2% |
8 | SHERWIN-WILLIAMS CO/THE | 素材 | 3.9% |
9 | TJX COMPANIES INC | 一般消費財・サービス | 3.8% |
10 | NIKE INC -CL B | 一般消費財・サービス | 3.8% |
1位はコストコです。会員型の倉庫型店舗で高品質な商品を安価で購入することができます。日本でも有名ですので良く利用しているという人も多いのではないでしょうか。
続いて、2位はマコーミックです。全米No.1のスパイスメーカーであり130年以上の歴史を持つ大企業です。ステーキソースやドレッシングも展開しています。
第3位はアンフェノールです。世界に100か所以上の拠点を持つ世界最大級のインターコネクト製品メーカーです。こちらも設立が1932年と90年以上の歴史を持つ老舗企業です。
アメリカ株に投資するとなると、アップルやマイクロソフト、アマゾンなどS&P500を代表するような比較的新しい企業に投資するのが一般的です。
しかし、おおぶねではこれまで見てきたように90年以上、130年以上といった歴史ある老舗企業に投資しているのが特徴です。
組入れ銘柄数も28と一般的な投資信託に比べて少ないので、長期厳選投資の名に恥じないポートフォリオとなっています。
銘柄を細かく見ると、おおぶねの投資哲学が感じられて興味深いですね!
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねの運用成績は良い?悪い?
設定来の運用成績とは
さぁそれでは、おおぶねの運用成績はどうなっているでしょうか。
まずは設定来の運用成績から確認してきましょう。
2017年7月5日に設定されて以来、コロナショックで落ち込む場面なども見られましたが、長期で見ると順調に右肩上がりで推移しています。
ぱっと見、良さそうな運用成績ですね。
ただ、おおぶねはインデックスを上回る運用成績を目指すアクティブ型投信ですし、株式市場全体の調子が良かっただけかもしれません。
おおぶねの実力を測るにはマーケットときちんと比較することが重要です。
もう少し細かく分析していきましょう。
マーケットとの比較
まずは、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねに関する数値の詳細をまとめてみます。
1年 | 3年 | 5年 | |
---|---|---|---|
トータルリターン | 14.28% | 15.50% | 14.43% |
標準偏差 | 17.44 | 15.15 | 16.13 |
シャープレシオ | 0.82 | 1.02 | 0.90 |
安定的にリターンも出ていますし、シャープレシオも0.8~1となかなかの高水準です。かなり良い成績を収めていると言えるのではないでしょうか。
続いて、マーケットとも比較していきましょう。アメリカを代表する株価指数であるS&P500と比較してみます。
3年間でS&P500が+82%の成長を見せているのに対して、おおぶねはわずか50%しか上昇していません。
おおぶねはインデックスに大きく負けていることが分かります。
おおぶねのファンドとしての成績は素晴らしいのですが、実はそれもマーケットが良かったおかげとも言えるかもしれません。
高い手数料を払って良いパフォーマンスを目指しているのにインデックスに大きく負けてしまうのであれば、わざわざおおぶねを選ぶ意味はなさそうですね。
まとめ
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねについて見てきました。最後にまとめてみますね。
独自の銘柄選定には興味をひかれますし、ファンドの運用成績もかなりいのですが、マーケットの伸びが凄すぎて投資し辛い結果となってしまいました。
また、投資先をお探しの方は、おすすめファンドを下記ランキングで紹介していますのでぜひそちらも参考にしてみて下さい。