デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)が最近不調ですね。
設定された直後はコロナショック後の株高の流れに乗って順調に成長していきましたが、それがいったん落ち着くと下落してきてしまいました。

ハイテク株は良い時は成長してくれてうれしいんですが、悪い時はダーッと下がってしまうのが怖いですね。
値下がりしているゼロコンタクトは売り時なのでしょうか?それともまだ上がるのでしょうか?
これからどうなっていくのか、今後の見通しについて解説していきます。
また、個別の投信については別記事でも解説していますので良ければ参考にしてみて下さい。




ゼロコンタクトってどんなファンド?
ゼロコンタクトのコンセプト
ゼロコンタクトがどんな投資信託なのかから確認していきましょう。
ゼロコンタクトのコンセプトはこちらです。
「非接触ニーズのもとで急成長が期待される企業に投資します。」


DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉を聞いたことはありませんか?これはデジタル技術によって私達の様々な生活が変わっていくことを表しています。
例えば、リモートワークのアイディア自体は昔からあったと思いますが、世界的なコロナウィルスの感染拡大がなければこんなに急速に浸透しなかったですよね?



良くも悪くもコロナの蔓延が世界的にデジタル化を急速に推し進めましたね。そこに目を付けた投資信託がゼロコンタクトな訳です!
ゼロコンタクトを運用しているのは誰??
世の中の大きな変化に注目した投資信託ですが、いったい誰が運用しているのでしょうか?
投資信託の運用会社は日興アセットマネジメント株式会社となっていますが、実際の運用会社は米国のアーク社です。
アーク社は2014年に米国で設立された会社で代表を務めるのはキャサリン・D・ウッド氏です。


ゼロコンタクトでは、足元の業績にはとらわれず、イノベーションが作る未来の市場規模から逆算して投資活動を行っています。
そのため、マーケットが悪い時は多少株価が下がるのもやむを得ず、逆に回復局面では大きな上昇が期待できるので問題はないという考え方です。
アーク社は自分達を「破壊的イノベーション専門運用集団」と称しています。



運用会社もカッコイイですし、投資信託のコンセプトもカッコイイですよね。
ただカッコよさだけでファンドを選んではいけないのが投資の難しいところなんです。
ゼロコンタクトの手数料
ここまでの印象は良いですが、投資信託を選ぶときはきちんと中身まで分析しなければいけません。
まずは、手数料から確認してみましょう。
ゼロコンタクトはマーケットよりも良い運用成績を狙うアクティブ投信ですので、インデックス連動型の投資信託と比べると高い水準になっています。
ですが、アクティブ投信としては一般的な水準となっています。高くも安くもないと思います。
ゼロコンタクトの投資先10銘柄
続いて、投資の中身を見ていきましょう。具体的にどんな所に投資しているのでしょうか?
投資先の上位10銘柄はこちらです。
(2023年6月30日時点)
銘柄名 | 国・地域 | 業種 | 比率 |
---|---|---|---|
COINBASE GLOBAL INC -CLASS A | アメリカ | 金融サービス | 8.4% |
SHOPIFY INC – CLASS A | カナダ | ソフトウェア・サービス | 7.4% |
UNITY SOFTWARE INC | アメリカ | ソフトウェア・サービス | 6.8% |
ROKU INC | アメリカ | メディア・娯楽 | 6.4% |
BLOCK INC | アメリカ | 金融サービス | 6.2% |
ZOOM VIDEO COMMUNICATIONS-A | アメリカ | ソフトウェア・サービス | 5.6% |
DRAFTKINGS INC-CL A | アメリカ | 消費者サービス | 5.4% |
ROBLOX CORP -CLASS A | アメリカ | メディア・娯楽 | 4.9% |
UIPATH INC – CLASS A | アメリカ | ソフトウェア・サービス | 4.3% |
TWILIO INC – A | アメリカ | ソフトウェア・サービス | 4.1% |
アメリカの企業がメインですね。ソフトウェア・サービス業が圧倒的に多くなっています。
第1位のCOINBASEは暗号資産取引所です。近年の仮想通貨の盛り上がりを受けて順調に成長しています。
続いて2位のカナダのSHOPIFYはeコマースのプラットフォームを提供する会社です。SHOPIFYのサービスを利用すれば誰でも簡単にネットショップを開設することができます。
第3位のUNITY SOFTWAREはコンテンツクリエイターのためのプラットフォームです。同社のサービスを利用すれば魅力的な2D/3Dコンテンツを作ることができ、ゲームや映画などの業界で活用されています。



いかにもこれから伸びていく業界という感じでワクワクしますよね!
ただ投資先として適切かは慎重に判断する必要があります。
ゼロコンタクトの運用成績は良い?悪い?
設定来の運用成績とは
投資先も魅力的な企業が多いゼロコンタクトですが実際の運用成績はどうなっているでしょうか。
設定来(2020年7月から)の運用成績はこちらです。


運用開始から半年ほどは好調に推移し、16000円を超えて+60%ほどの上昇を見せました。
しかし、2021年の年末ごろから急落し、今は6500円程度と結果として35%ほど値下がりしています。



やはり、ハイテク株が中心のためマーケットの状況によって急激な上昇や下落が生まれていますね。
マーケットとの比較
それでは、マーケットと比較した場合、ゼロコンタクトの成績は良いのでしょうか?悪いのでしょうか。
結果下がっているとしてもマーケットより良い運用成績であれば、投資信託としては良い商品だと言えます。
ハイテク株が多いと言われているナスダックと比較してみましょう。


設定来の成績で比較すると、ナスダックが+67%に対して、ゼロコンタクトは-33%です。その差は100%ですね。
ゼロコンタクトは比較にならないくらい、マーケットに負け越しています。



本来マーケットを上回る成績を目指すアクティブ投信がこの運用成績では期待外れと言われても仕方ないですね。
ゼロコンタクトの価格や今後の見通しとは
それでは、ゼロコンタクトはこれからどうなるのでしょうか?
今後の見通しとしては残念ながら厳しいものとなっています。
アメリカはインフレに悩まされており、大きな課題となっています。
インフレを抑えるために、FRBはどんどん利上げを行っていますし、この傾向はしばらく続くと見込まれています。
※FRBとは?
Federal Reserve Boardの略称。連邦準備制度理事会。アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関。日本で言えば日銀の役割。
一般的に金利が上がると株価は下がると言われています。さらに、ゼロコンタクトではこれからの急成長が見込まれているグロース株が中心です。
グロース株は今後生まれるであろう巨額の利益を見込まれて買われています。しかし、金利が上がると将来のキャッシュフローから生まれる現在価値が大きく低下するためグロース株の株価はどうしても下がってしまうのです。



ちょっと難しいと感じた方は、金利が上がると株価が下がりやすくて、とくにグロース株には厳しいと思って下さい。
逆にもっと詳しく知りたい方は、DCF法や割引率について調べてみるといいと思います。
まとめ
今回はデジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)について見てきました。
まとめてみます。
ゼロコンタクトは、なかなか厳しい状況でしたね。
市況が良い時はいいですが、悪い時の落ち込みもひどく、リスクが高い資産運用となっています。
今後の見通しも厳しいですし投資信託の限界とも言えるかもしれません。
相場環境に左右されずに安定的に資産運用をするなら投資信託ではなく、ヘッジファンドがおすすめです。
ヘッジファンドはどんな相場でも利益を出すことを目的に作られていますので、安心して資産運用を任せることができます。
優秀なヘッジファンドであれば利回り10%~を期待することも可能です。
詳細については別記事でも解説していますので良ければ参考にしてみて下さい。


おすすめの個別ヘッジファンドについては、下記のランキングで紹介しています。投資先をお探しの方はそちらもぜひ参考にしてみて下さい。