投資信託「ダブル・ブレイン」はオルタナティブ投資として人気の投資信託です。
オルタナティブ投資とは、株や債券をただ買うだけの伝統的な方法以外の投資を指します。
普通の投資信託は株を買うだけの伝統的な運用です。しかし、ダブルブレインでは新しい運用戦略を駆使して収益を狙ってくれるのが魅力です。
そんなダブルブレインの実態に迫っていきます。
また、ダブルブレインは現在、新規申し込みを受け付けていません。
何かトラブルでもあったから新規募集していないのか?
不安な声もあると思いますのでダブルブレインがなぜ販売停止したのかも合わせて解説します。
また他の投資信託についても解説していますので気になる方はそちらも合わせてご覧ください。
ダブルブレインはどんな投資信託?
3種類(通常/ブル/マイルド)の違いとは
ダブルブレインとはどんな投資信託なのでしょうか?
まず、ダブルブレインには3種類あります。
- ダブルブレイン
- ダブルブレイン(ブル)
- ダブルブレイン(マイルド)
ブルは通常のダブルブレインの2倍の値動きをするように設定されており、マイルドでは0.5倍の動きをするように設定されています。
運用戦略はダブルブレインシリーズで共通です。どれだけリスクを取りたいかの好みで3種類から選ぶ形となってきます。
やりたいことは一緒ですので通常のダブルブレインをメインに見ていきましょう。
ダブルブレインのコンセプト
ダブルブレインは投資信託には珍しく絶対収益追求型のファンドです。普通の投資信託ならマーケットが悪い時はマイナスでもよしとしますが、ダブルブレインはどんな相場でも利益を狙います。
絶対収益を追求する点はヘッジファンドと同じですね!
そして、運用に当たっては最新の金融テクノロジーを用いて投資判断や売買執行を行っていきます。
24時間休まずに最新のAIを駆使したシステムで資産運用ができるのは大きな強みですね。
ダブルブレインを運用しているのは誰??
さぁこの最先端の投資信託を運用しているのは誰でしょうか?
野村アセットマネジメントが委託会社ですが、実際に運用を行うのはロンドンに本社を置くマングループです。
マングループには数学や物理学の博士号をもつ社員が多く在籍し最先端の金融工学の研究集団となっています。
マングループが金融テクノロジーによる資産運用を開始したのは1987年のことであり歴史のある運用会社となっています。
ダブルブレインの手数料は高い?安い?
続いてダブルブレインの手数料についても確認しておきましょう。
購入時手数料 | 最大3.3% |
信託報酬 | 年2.013%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
アクティブ型の投資信託では購入時手数料が3%前後で信託報酬は1%~が一般的です。
ダブルブレインの信託報酬は2%を超えていますのでやや高めですね。
内訳を見ると日本の会社への信託報酬が0.913%、外国の会社への信託報酬が1.1%です。直接契約できればコストカットできますがなかなかそうもいきませんよね。
コストが二重でかかる分、合計すると手数料は高くなってしまいます。
投資信託は簡単に投資できる一方で、いろいろな会社に手数料を支払わなければいけないのが残念ですね。
ダブルブレインの評判は?
3年連続での受賞
それでは、ダブルブレインの評判について見ていきましょう。
ダブルブレインはモーニングスター社のアワードで3年連続受賞しています。
モーニングスター社による「ファンド オブ ザ イヤー」のオルタナティブ型部門で2019年から2021年にかけて、優秀ファンド賞、最優秀ファンド賞、優秀ファンド賞の連続受賞です。
ダブルブレインの評判は良く、高く評価されていることが分かりますね!
気になる掲示板での評判は?
会社の評価だけでなく、投資している人からのリアルな評判も気になりますよね!という訳でYahooファイナンスの掲示板をのぞいてみましょう。
最近の成績が芳しくないことから厳しい意見が多くなっているようです。掲示板を見るとあまり評判は良くないですね。
さらにナンピンできないとの声もありました。
ナンピンとは?
値が下がった時に追加で購入する事。平均取得価格が下がるので価格が復活すれば利益は大きくなる。下がり続ければ損失は拡大してしまう。
なぜナンピンできないかというと、ダブルブレインでは新規購入を受付けていないからです。販売停止になってしまったのです。
ダブルブレインはなぜ販売停止になったのか?
販売停止になった理由は気になりますよね。
野村アセットマネジメントの発表によると理由はこちらです。
さて、弊社運用の投資信託「ダブル・ブレイン」(以下、「当ファンド」)につきまして、当ファンドの投資対象市場の流動性等を総合的に勘案した結果、運用資産規模を適正な範囲内に維持するため、2022年2月1日以降、新規のお買付お申込みの受付け、並びに「ダブル・ブレイン(マイルド)」「ダブル・ブレイン」「ダブル・ブレイン(ブル)」間でのスイッチングによるお申込みの受付を一時停止させて頂くことといたしました
野村アセットマネジメント
要は「運用資産が大きくなりすぎたので適正な範囲におさめるため新規募集はしない」ということになります。
「運用成績が悪くて~」、「評判が悪くて~」という理由で販売停止になった訳ではないのでその点は安心ですね。
実際にダブル・ブレイン・コアという新シリーズが展開されています。
ダブルブレインの運用資産額は2,500億円程ですので妥当といえば妥当な判断ですね。
一般的に運用資産額が3,000億円を超えると運用が難しくなると言われています。
ダブルブレインの運用成績は良い?悪い?
設定来の運用成績とは
さぁそれでは実際問題、ダブルブレインの運用成績は良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
設定来の運用成績はこちらです。
約3.6年で+22%の運用成績です。年利に直すと約5.6%となります。数字としては悪くはないですよね。
ただこれだけではよく分からないので、もう少し詳細に見てきましょう。
資産運用の安定度を測る
投資信託のコンセプトとしては絶対利益の追求ですから、ヘッジファンドのようにどんな相場でも利益を出したいはずです。
そうなると重要になってくるのはシャープレシオです。
シャープレシオとは?
リスクに対するリターンの割合で運用効率を表す。1を超えると優秀とされる。
ダブルブレインのシャープレシオを見てみましょう。
ダブルブレイン | マイルド | ブル | |
---|---|---|---|
シャープレシオ(1年) | -0.64 | -0.56 | -0.58 |
シャープレシオ(3年) | 0.36 | – | – |
ここ1年はどのタイプでもマイナスとなっています。設定されたタイミングが違いますので3年分の結果はダブルブレインしかありませんが、その値は0.36です。
0.36は1に遠く及ばず、ダブルブレインはハイリスクな割にリターンを得られないリスクの高い商品となっています。
思っていたよりもシャープレシオが低かったですね。
この運用効率では絶対収益を期待するのは難しいかもしれません。
ダブルブレインの今後の見通しは
本来のダブルブレインのコンセプトとしてはヘッジファンドのようにどんな相場でも安定して利益をだすことにあったと思います。
ですが、これまでの運用成績を見るとシャープレシオは0.36とかなり低くて運用効率は悪いですし、直近はそもそもマイナスで苦しんでいます。
今後の見通しとしても、どんな相場でも利益を出してくれると期待するのは厳しいかもしれません。
まとめ
最後にダブルブレインについてまとめてみましょう。
ダブルブレインはオルタナティブ投資かつ絶対利益を追求するので目を引きますが、残念ながら今の所そのコンセプトは実現できていないようです。
ヘッジファンドのような絶対利益を追求した運用を投資信託でお手軽にできるのは良い点ですね。
ただどうせならヘッジファンドへの直接投資を検討してみてもいいと思います!
投資信託であれば確かにお手軽に投資できますが、ヘッジファンドへの投資も実はそんなに手間じゃありません。
ヘッジファンドのホームページから問い合わせ
→面談して説明を受ける
→話を聞いて気に入れば契約
これだけのステップですので、せっかくなら運用のプロであるヘッジファンドを検討してみてはいかがでしょうか。優秀なヘッジファンドであれば利回り10%~も期待できます。
個人的におすすめのヘッジファンドは下のランキングから確認できますのでぜひ参考にしてみて下さい。